中野重治

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ペチカ

 

 だれもが口づさんだことがあるだろう童謡「ペチカ」。作詞は北原白秋、作曲は山田耕筰。しかし、”もう一つのペチカ”の存在を知る人は少ない。

 白秋は「私は今川君のペチカの方が好きだ」と称賛した。

 この「ペチカ」を作曲したのが今川 節。貧困に耐え、病床にあっても曲を作り続けた節。260曲以上を書き残し、25歳の若さでこの世を去った。代表作「ペチカ」は18歳の時に作曲。童謡、歌曲から賛美歌とジャンルを広げ、24歳で交響曲「四季」を完成させた。まるで、自らの薄命を悟ったかのように。

 学校にはオルガンしかなかった昭和初期の音楽教育。小学高等科を卒業しただけで、銀行の給仕をしながら独学で作曲を勉強した。地方の片田舎、丸岡に居ながらにして生まれた天才作曲家。彼を取り巻く周囲の厚い友情、天性の創造力、そして何よりもどん欲な向上心と努力があった。ペチカは今も静かに燃え続ける。
 

 

◆ペチカ

「ペチカ」はここで聴けます(MP3)

歌:牧野惠子  ピアノ:角矢千鶴

※「ペチカ」を聴くにはMP3再生ソフトが必要です。